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月組公演 東京詞華集『万華鏡百景色』 忘備録

BADDYを映像でしか見たことが無いので
ずっと劇場で観れなかった事を後悔し続けるかと思っていた中
出会った上田久美子先生に続く、二人目の女性の演出家によるショー

youtu.be
東京詞華集(トウキョウアンソロジー
『万華鏡百景色(ばんかきょうひゃくげしき)』
作・演出/栗田 優香

東京…それは玉響(たまゆら)の人生が煌めく街。幾万の人生が交わる街。
江戸・明治・大正・昭和・平成・令和と、刻一刻と景色を変えてきた万華鏡(ばんかきょう)の如き街“東京”を舞台に、
そこで生きた人々の様々なドラマを映し出す現代的かつレトロなレヴュー作品。
トップスター・月城かなとを筆頭とする芝居心豊かな月組による、情感溢れる人間賛歌をお楽しみください。
この公演は、演出家・栗田優香の宝塚大劇場デビュー作となります
。   

スカイステージで栗田先生のデビュー作『夢千鳥』のクッションを切り付けて
中から赤い羽根が飛び散る演出で美しい場面を作る先生だと思っていたので楽しみにしていましたが
アンソロジーと称しつつ東京を舞台に輪廻転生を繰り返す男女の芝居仕立てで
期待以上のショーにて初めて観劇した翌日は仕事中もずっと頭の中で考え
円盤を手にしてからも誇張ではなく毎日自宅で見ています。

19日が千秋楽にて配信もありますので
tv.rakuten.co.jp
是非に色々な方に見て頂きたいのと万華鏡の付喪神がキーとなる作品であり
様々な骨董品の付喪神が登場する中刀の付喪神も出て活躍(と言っていいのかな?)し
翌週からは刀の付喪神のキャラクター達の作品、刀剣乱舞にて
musical-toukenranbu.jp
回転劇場にて上演されるタイトルとの共通点から双騎を観劇する友人に作った
知っておいた方が楽しめると思った事を書き出した
あらずし兼ネタバレまとめです。

第一章 現代~江戸時代

路地裏に時折現れる骨董屋、店に迷い込んだ少女が不思議な万華鏡に心奪われるていると
不思議な店主が現れ少女に万華鏡を譲り渡す。すると骨董品たちが蠢き出し
巻物や扇、刀の様々な付喪神が現れる中万華鏡の付喪神が問わず語りを始める。

輪廻転生の象徴、鳳凰柄を背負った当大一の花魁は貧乏長屋に住む花火師と二人花火を見ることを夢見ていた。
花火師は「いつか必ず叶う、その日まで偽の花火で許しておくれ」と万華鏡を渡すも
花魁は「恋の形見にする」と身受けが決まったと告げると花火師は生き地獄よりも死んでも二人で居ようと足抜けを決意。
しかし必死の逃避も虚しく二人は引き離されてしまう。幾年過ぎても色褪せない思いを宿した万華鏡が
時代を超えて移ろい行く景色を眺めていく…。

「知らざあ言って聞かせやしょう」は弁天小僧の「浜の真砂と五右衛門が」と続く名台詞で
「絶景かな 絶景かな」は歌舞伎の石川五右衛門の台詞である。


第二章 明治時代 芥川龍之介『舞踏会』より

提灯の明かりはガス灯に変わり鹿鳴館では舞踏会が行われていた。
外国人達に猿マネと笑われながらも懸命にワルツを踊る日本人達の中で一際目を引く存在の令嬢の明子
明子にフランス人将校はダンスを申し込む、日本の空を見ていると懐かしい気持ちになるという将校は
打ちあがる花火を見ながら「われわれの生(ヴィ)のような花火」と語られた将校との夜の事を
電車の向かいの席に座る青年の菊の花束を見て思い出した50近くになった明子、
「その将校は『お菊夫人』を書いたピエール・ロディでは!?」と言われるも
「いいえ、彼はジュリアン・ヴイオと名乗っていたから人違いでは?」と答える。
青年将校ペンネームでなく本名としてだけ覚えている、というその事実こそが、
鹿鳴館の個人的な鮮やかな記憶を支えているのである


第三章 大正時代 芥川龍之介地獄変』より

銀座に着いた電車から降りるモダンボーイはモダンガールと銀ブラデード
マネキン達も楽しくなって動き出す(動き出すまで瞬きをしない美形選抜のマネキンに注目!)
カフェでは芥川龍之介地獄変を書き上げている。
それは大殿様に仕える見たものしか書けないと言い弟子を鎖で縛りあげたりフクロウに突かせたりする
絵のためにはなんでもする絵師・良秀の話。そんな良秀も良秀似てない美しく聡明な一人娘を溺愛していた。
ある日大殿様に献上したサルを城の者は良秀と呼んでいじめていた。いじめられているところを助けた娘とサルは仲良くなる。
大殿様も娘を気に入っていたが娘にその気は無い、そんな大殿様は良秀に地獄変の絵の依頼をするも
見ねば書けぬ、燃え上がる牛車の中の女の姿が見たいという。叶えてやると大殿様の用意した燃える牛車の中に居たのは娘だった
呆然としていた良秀だったが苦しみ悶える牛車にサルが飛び込んだ瞬間、良秀は地獄変を狂ったように書き上げる。
立派な絵が完成した翌日、良秀は首を吊って自殺した。同じ名のサルは良秀の良心だったのかもしれない。


第四章 昭和

あれは小説の中の炎か、大正末期の関東大震災の炎か、空襲の炎だったのか…。
時代が移り変わり闇市のドンが活気あふれる街に。その中には骨董店の店主と万華鏡の付喪神の姿も。
通りかかった娼婦を目が合ったドン、幻想の中の男と女のように戦前二人は恋人同士だった。
しかし娼婦は馴染みの米兵と去っていく。
ここの闇市のシーンの振付は近年刀ミュで振付をしている桜木先生です!


第五章 昭和後期~平成初期

海外からの再輸入でブームとなっている日本のシティポップの中詰めから女性の社会進出を表す娘役だけのロケット


第六章 平成~令和

番傘はビニール傘に、向かいの者と言葉を交わしていた電車は隣の者と睨みあう満員電車。
流しの男はバンドマンに、リンゴの唄を歌っていた少女はApple製品を持っている。
(ネットの炎上事件で病んでしまった設定の地雷系美少女は研2のマネキンガールの美少女です)
高い場所から見下ろすカラスは黒い傘を持つ虚ろな人間を見つけると群がり死へ誘う。
或る女を目にし身動きが取れなくなる一羽のカラス、他のカラスが女を死に誘おうとするのを制すると
女とカラスの視線の先にはくだんの万華鏡。女が万華鏡をのぞき込むと街に明かりが差すが振り返るとカラスはもう居ない。


第七章 フィナーレ

花火師と花魁は輪廻転生の末、万華鏡の付喪神の元ようやく再会する



「ご観劇後本作の楽曲を口ずさみながら、
いつもより煌めいて見える京の街を闊歩しくださったらうれしいです。」と
栗田先生の挨拶からあるように東京という街を表した歌詞も素敵です。

現在通販から届いた双騎の


『万華鏡百景色』とタイトルを聞いたときはBADDYのタバコのように
シャンシャンはこんな感じたと思ってましたの立体化ペンライトを
海ちゃん花魁のマネをしながら円盤を見ています。


取り巻く環境や舞台機構や公演数の不安等
様々なことがありますがどちらの公演も千秋楽を無事に迎えられますように。